夢色約束
「お昼ご飯食べよ~」

そうだ、由羅!!


「そうだな~」

由羅を見たけど、いたって普通だった。

そんなものなのかな…

でも、婚約者がほかの女のこと仲良くしてたらいやだよね…?


「香里奈~?」


「あ、ごめん行くー」

私は少し先にいる由羅を追いかけた。




「ただいま~」


「おかえりなさいませ、香里奈さま」

私はたくさんのあいさつの声を聴きながら部屋に戻った。


「香里奈さま」


「なに?光」


「…どうか、なさいましたか」


「…なんのこと?」


「少しです。ほんの少し…違和感があるんです」


「…違和感?」


「なにか、隠しているような…」


「別に、なにも隠してないよ」


「ですが…」


「何も隠してないってば!!」

私は思わず大きな声で言った。


「香里奈…」

光の声にハッと我に返る。

光の瞳は悲しそうに揺れていた。


「ごめん…」


「私は、夕飯の用意に行ってきます」

光は悲しそうな微笑みを浮かべて部屋を出ていった。


「最悪、だ…」

私はベッドに倒れこんで枕に顔をうめた。
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