夢色約束
「行くぞ」

放心状態の男たちを置いて光は私の腕を掴んで歩き出した。


「光、速い」

少し息が上がりながら光に訴える。


「お前はバカか」


「え?」


「そんな格好でウロつくな」


「だって…」

仕方ないじゃん。


「ん」

バサッと上着を脱いだ光は私に渡してきた。


「いや、いいよ」

戻ったらあるし…


「さっさと着ろ」

そう言って頭から被せられた。


「わっ」


「ほら」


「…うん、」

しぶしぶ光のパーカーに腕を通した。

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