夢色約束
コトッ

「どうぞ」


「ありがと」

私は光がテーブルに置いたホットミルクをとって一口すする。


「…ねぇ、」


「はい」

自分の分のホットミルクを持ったまま私のそばに立っている光。


「ここ、座ってくれない?」


「ですが、そんなことは…」


「いいじゃない。そんなとこに立っていられた方が落ち着かないわ」


「…わかり、ました」

光も私の横に腰掛けた。


「「…」」

最後の夜。

話したいことはたくさんある。

聞きたいこともたくさんある。

でも、言葉が出ない…。


「あ、えーと…光は、明日やりたいことある?」


「やりたいこと、ですか…」

こんなことを、聞きたいわけじゃない。


「行きたいとことかー食べたいものとか?」


「そうですね…お嬢様はなにかおありですか?」


「私?私は…わたがしとーりんご飴とー」


「…太りますよ」


「うるさい!」

私は横にいる光をぽかぽかと叩いた。
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