夢色約束

5つの願い



翌日、16:30


「うーん…できない……どうやってやるんだろう」

私は、コテを片手に鏡の前で格闘していた。

浴衣は着れるんだけどな…

髪の毛はいっつも光にやってもらってたから…


「んー、上手くできない…」

早くしなくちゃ…


「お嬢様」


「キャーーーー」

背後から聞こえた声に思わず飛び上がった。

よかった、コテで火傷するところだった…。


「申し訳ございません‼︎」

そして、私の後ろで頭を深々と下げるおどかした張本人の…


「早苗さん?」


「本当に申し訳ございませんでした」


「大丈夫よ、こちらこそ、ごめんなさい」


「いえ、お嬢様が悪いわけでは…!」


「とにかく、大丈夫だから、顔をあげてください」


「はい…」

ゆっくりと顔を上げる早苗さん。


「どうかしたんですか?」


「あ、お嬢様がお困りのようだったので、お力になれればと」


「早苗さん、ヘアアレンジできる?」


「もちろんでございますよ」

早苗さんさんは、にっこりと笑ってそう言った。
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