夢色約束
2時間後…
「行ってきます」
「あ、お嬢様、お車のご用意が…」
「今日はいいの、駅までだから」
「ですが、駅までは歩いて20分ほど…」
「わかってるわ、大丈夫よ」
今日は、普通の高校生としていたいから…
光の、そばに。
「…かしこまりました。楽しんでいってらっしゃいませ」
「ありがとう、早苗さん」
頭をさげる早苗さんに笑顔を向けて、私は家を出た。
「あ、お嬢様」
家を出ると、運転手さんに会った。
「お車をご用意いたしましょうか?」
「あ、いいです。歩いていくので…」
「かしこまりました、いってらっしゃいませ」
「あ、あの!」
勢いよく言った私にびっくりしたように頭を上げる運転手さん。
「はい、なにか?」
「ひとつ、お願いがあるんですけど…」
恐る恐る言う私に運転手さんは首を傾げた。