夢色約束
「お待たせー光!」
時計台にもたれて腕を組んでいる光。
Vネックの黒シャツにジーンズ、シンプルなネックレス。
そんなシンプルな格好なのに、どうしてそんなに人の目を惹きつけるのか。
まぁ、本人に聞いても大した答えは返ってこないだろう。
「いや、そんなに待ってねえよ」
「行こ」
「はいはい、そんなに急かすなよ」
「だって早く行きたいんだもん!」
「香里奈」
前を歩く私を呼び止めた光は私に手を差し出した。
「はぐれるだろ」
「はぐれないよ」
「んじゃ、3つ目の願いな」
「…わかった」
私は恐る恐る手を取った。
「行くぞ」
私の手を引いた光は歩き出した。