夢色約束

「うわぁ、すごい人だね」


「ああ、やっぱ多いな」

嫌そうな顔をする光。


「大丈夫?」


「毎年のことだろ」


「毎年嫌そうな顔してるけど…」


「うるせぇよ」

軽く睨まれる。

私はさっと目を逸らした。


「どうする」


「じゃーひとつ目の願いね!」


「はいはい」


「わたあめ買って!」


「そんなのでいいのかよ」


「いいの!」


「りょーかい」

呆れたように笑った光とわたあめの店を探して列に並んだ。


「おじさん、わたあめひとつ」


「お、お嬢ちゃん彼氏に買ってもらうのかい?」


「か、彼氏って!」

私は顔が赤くなった。


「うるさいんで、こいつ」

光はまんざらでもなさそうに笑ってる。

ちょ、なんでそんなに慣れてるの⁉︎


「ほい、わたあめひとつね」


「ありがとうございます」


「楽しめよ〜」

そう言ってくれるおじさんに光は「はい。」と返事をしていた。


「ほら」

わたあめを渡してくる光。


「ありがと」


「おぅ」

そう言って光は私の頭を撫でた。

また、子ども扱い…

< 150 / 261 >

この作品をシェア

pagetop