夢色約束
「お待たせ、光」
「ああ」
お手洗いを済ませて、光の元に戻った。
「そろそろ、花火行くか」
「あ、もうそんな時間?」
「ああ」
「ふたつめのお願い」
「なんだ?」
「今日は神社のところで見たい」
「ああ、わかった」
お願いしているのは、なんでもないことばかり。
でも、それでいいんだ。
「行くぞ」
光に手を引かれて、歩き出す。
足が…痛い。
靴擦れかな。
下駄なんてあんまり履かないから…
「どうかしたか?」
ぼーっとする私を心配そうに見る光。
「なんでもない」
私は首を横に振って、笑顔を見せた。
「そうか」
安心したように言って、光はまた歩き出した。