夢色約束
「やっぱりここって、あんまり人いないね」
「穴場だからな」
「そろそろかなぁ」
「ああ、それにしても珍しいな。ここがいいなんて」
「そうだね」
「1回目ここに来た時、怖かったっつって、土手の方で見るようにしてたお前がここで見たいなんていうと思わなかったよ」
「そうだったね」
くすくすと2人で笑った。
なにか出そうなここが怖くて仕方なかったなぁ。
「4つ目の願い」
「光?」
「足出せ」
「え、やだよ」
汚いし。
靴擦れバレちゃうじゃん。
「言うと思った。だから、願いにしたんだろ」
「えー、他のことないの?」
「お前だってさっきからなんでもないことばっかじゃねーか」
「でも…」
「別にあんなこと、願い使わなくてもしてやんのに」
「いいじゃん、思いつかなかったんだから」
「はいはい、とりあえず出せ」
「…わかったよ」
私は恐る恐る足を出した。
その足に優しく触れる光。
「ひゃっ」
「どんな声出してんだよ」
「だって…」
「それに、なんで言わねぇんだよ」
「…ごめんなさい」
見事にばれた靴擦れ。
「バレバレなんだよ、お前は」
「うそ⁉︎」
「何年の付き合いだと思ってんだよ、ばーか」
「バレてたんだ…」
「あたりまえ」
呆れながら言った光はなにかを取り出した。