夢色約束

「それ…」


「さっき買った」


「絆創膏…わざわざ?」


「あたりまえだろ」


「ごめんね」


「いいから。その代わり、5つめの願い」


「…なに?」


「頼むから、こういうことはちゃんと言ってくれ」


「…光」


「言ったろ?守りたいって」

覚えてくれてたんだ。

中学で私が倒れた時に言ってくれたこと…


「うん」


「頼むから」


「うん、ごめん、光」

優しく絆創膏を貼ってくれる光に気づかれないように、私は涙を流した。

夜でよかった。

暗くてよかった。

光にばれないから。

気づかれないから。
< 154 / 261 >

この作品をシェア

pagetop