夢色約束
「香里奈、俺は…」
「全部、わかってる」
「…」
「そのうえで、言ってるの」
「香里奈…」
「ほら、普段は叶えてくれないようなことまで、叶えてくれるんでしょう?」
「……香里奈」
私は、もうなにも言えなかった。
「ごめん、ごめんな、香里奈」
「どうして、私は…」
「俺が、言うべきだった」
「関係ないわ、どっちにしろ、同じだもの」
「…香里奈、」
「ほら、早く行って。もう、光のことはクビにしたのよ?顔も見たくないわ」
私は光に背を向けた。
「…ああ、わかった。
………今まで、ありがとうございました。
どうか、お元気で」
私は、光の足音が聞こえなくなった瞬間、その場に泣き崩れてしまった。