夢色約束
「光を、迎えに来て欲しいんです」
「光さんを?」
「光は…きっと今日、ここを去ります」
「光さんが…」
「はい、光はずっと私を守ってきてくれました。いつだって、そばにいてくれました。
だから、私は笑顔でいられたんです。
だから…こんどは私が光を守りたい。
光に傷ついてほしくないんです」
「お嬢様…」
ああ、どうしてこんなに想いあっている2人が、別れてしまうんだ。
「私の部屋の机の上に、メッセージカードを置いています。
勝手に入ってもらって構わないので、それを、光に渡してください」
「お嬢様……大丈夫、ですか?」
情けない。
大丈夫なはずがないのに。
これじゃあ、お嬢様は大丈夫だと応えるしかなくなるのに。
でも、なにを言えばいいのかわからない。
私の言葉が彼女たちを救う。なんて、ありえないとわかっている。
でも…それでも、彼女たちには笑っていてほしいと思ってしまうんだ。