夢色約束

「ゆ…」


「由羅ちゃん!」

私が話しかけようとしたとき、他の子が由羅を呼んだ。


「あ、おはよ」


「おはよっ!ほら、教室いこ?」


「う、うん…」

珍しく歯切れの悪い由羅。

こっちを気にしているのはわかっていた。


「由羅…」


「ほら、早く!!」

その子は結局由羅の背中を押して、行ってしまった。

私も、行かなくちゃ。


そのあと、昼休みも、その子は由羅を自分たちのところへ連れていき、私はこの日、由羅とは一言も話せなかった。

そして、光はこの日から学校に来ることは無かった。
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