夢色約束
「お庭の花壇のあたりで倒れられていたようです」
部屋に運び込まれ、ベッドに眠るお嬢様の手を握った。
「花壇…?」
思わずそう言ったメイドさんを見た。
「はい。さすがに本日は学校をお休みされた方がよいかと…」
「そうですね、目を覚まされるまで私がついています」
「わかりました。では私たちはこれで…」
そういって、私以外の人たちは部屋を出て行った。
「お嬢様…」
サラッ
私は顔にかかったお嬢様の前髪を横に払った。
「私の…せいだ……」
きっとお嬢様は花壇に影を探しに行ったんだ。
お母さまの…光さんの…
寝ぼけてそんなところに行くなんて…
お嬢様のあの方々への想いは計り知れない。
そんな方たちが離れてしまわれた…
今の、心の闇も…。
「私が、あんなことを言わなければ…」
最悪だ…
「光さん、私はどうすれば良いのですか…」