夢色約束
「ごめんなさい…」
「謝らないください」
私は震える手で早苗さんの服をぎゅっと握った。
「だって、早苗さんだって仕事があるのに…迷惑かけて…」
「そんなこと、気になさらないでください」
「でも…っ」
目が覚めれば、早苗さんはいつも傍にいてくれる。
いない。と思っても、少しすればすぐに来てくれる。
きっと、なんども、様子を見に来てくれているのだろう。
普段の仕事をこなしながらそれをすることはどれだけ大変なんだろうか。
「さ、もう少しお休みください」
私をまた寝かせ、布団をかけてくれる。
「私は、お嬢様が眠られるまで、ここにいますから」
そういって、手を握ってくれる。
私は手に温もりを感じながらまた眠りに堕ちていった。