夢色約束
コンコン
「お嬢様?失礼いたします」
食事の後、少しすると光が部屋を訪ねてきた。
「どうぞ」
「食後の紅茶も持ってきました。では、始めましょうか」
「ええ」
そうして、光とのお勉強会が始まった。
「…ということで、ここは…」
「なるほど、じゃあ、こっちも?」
「はい。あってますよ」
「ありがとう」
やっぱり光の解説はわかりやすいな…
ん?
そういえば、光、私の食事が終わってそんなに時間経たずに来たよね?
「光?」
「はい?」
「夕食食べた?」
「…食べました」
「嘘よね?」
「……申し訳ありません」
「食べてないんじゃない!」
「気にする必要はありません。後で食べますから」
「でも…!」
「大丈夫です」
はぁ…
なんで光はいつもそうやって…て、
私のせいよね。
私が光に勉強を教えてもらったり、いろいろするから、光は自分の時間を取れないんだよね…
私、光のためになにかしたい。とか、思ってるくせに、逆に迷惑かけてばっかじゃん。
「ごめん、光。勉強はもういいや。ダイニング行ってて?ご飯作ってくるから」
「お嬢様、私は大丈夫です。ですから、再開しましょう?」
「…やだ」
ごめんね。これだけは譲れないや。
「お嬢様…」
「ほら、早く行っててよ?」
私は光を残して、キッチンまで走った。