夢色約束
「どうして、光さんが…」
「荷物、取りに来た」
「…そう、ですか」
「この時間なら、あの方は学校だろ」
「っ、それは……」
西園寺様から、なにも聴いてないらっしゃらないようだ…。
「まあ、取ったらすぐ戻るから」
「わかりました」
光さんは元の自室へ入って行かれた。
「早苗さん、お嬢様起こされますか?」
小さな声で隣にいたメイドさんが話しかけてくる。
「いいえ、そのままで結構です」
どうせ、すぐ会えなくなるなら、言わない方がいい。
「わかりました」
そういって去っていく。
私も、仕事をしよう。
さっき眠られたばかりだからしばらく目を覚まさないだろう。