夢色約束
「香里奈…香里奈……ごめん」
「また、謝るんだね」
「え…?」
「いつもとは違う、いい夢だと思ったのに…光はまた謝るんだね」
香里奈は哀しそうに笑った。
「光も、お母さんみたいに、私を1人にするんだね…」
「香里奈…」
違うと言えない自分がいやで仕方ない。
「光は、私を恨んでる?」
「そんなことねぇよ」
「ふふ…やっぱりいい夢だ」
どこまで、自分を追い詰めたんだよ。
「香里…「光…ごめんなさい」」
くたっとまた倒れこんで眠った。
「なんで、謝るんだよ…ばか」
そばにいる。
俺が守るよ。
昔なら、本当にできると思った。
自信満々にさらりと言えた。
それができる年齢に近づいてるはずの今、その言葉は、喉になにかが詰まったように出てこなかった。