夢色約束
「お嬢様…」
「私、気づいたの…光が私の担当になった数年間、光がいつも1人だったのは…私の世話があったからだって」
「お嬢様…」
「私のそばにいなくちゃいけなかったから。遊ぶ暇ないくらい、忙しくさせてしまったから、光は学校で1人だったんだって」
やっと、気づいた…
いや、やっと気づこうとした…
私は、気づいてしまえば光が離れていくんじゃないかと、思ったんだ…
「光は…私を……恨んでいるでしょうか」
「そんなことないと思います」
「早苗さん?」
「だって、光さんは楽しそうでした。いつも。まぁ、多少怒っているときも、忙しそうにしているときもありましたが、いつも、笑っていました。お嬢様の、隣で」
そう言って、早苗さんはニコリと笑った。