夢色約束

「そっか…」

そうだよね。

私、最低だ…

どうしてあの日々の中の光を疑ってしまったんだろう。

確かに楽しかったのに。

光だって、ちゃんと笑ってた。

笑い合ってた。

なにがあってもそばにいてくれた。

守ってくれた。

そんな光の心を疑うなんて最低だ。

そばにいてくれたからこそ、光の心を信じなきゃ。


「ありがとうございます、早苗さん」


「私はなにもしておりませんよ。おふたりについてのすべての答えは、おふたりが過ごしてきた日々の中にあると、私は思っておりますから」

日々の…中に…


「そうですね。あの数年間の中に私は、自分の幸せのすべてをかけた気がします」

幸せだった。

ただ、幸せだった。

光の優しさを誰よりも近くで感じられたあの日々が。

光の優しさに誰よりも近くで触れられたあの日々が。

光がそばにいることで、私は満たされていた。

< 197 / 261 >

この作品をシェア

pagetop