夢色約束

「お嬢様、今日は確かテストの結果発表日だとか…」

朝食を食べ終わり、制服の用意をしてくれている早苗さんが言った。


「ああ…確かそうだったわね」


「自信はおありですか?」

クスクスと笑いながら早苗さんが言った。


「そんなの…聞くまでもないわ」

光はいないのに…



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


ざわざわ

掲示板の前に集まる生徒。


「お、来たぞ…略奪女」

うるさいな…


「ばっ、お前聞こえちまうだろ」

うるさい…


「水月財閥だぞ⁉︎」

うるさい…


「潰されるぞ」

うるさい…


「やっぱり、あの子が1位なのね」

うるさい…


「先生に色仕掛けでもして答え教えてもらったんじゃない?」


「そんなことしなくても、お金出せば教えてくれるわよ」

うるさい、うるさい、うるさい、うるさい…

なにも…知らないくせに……!

私は耳をふさぐようにイヤホンで音楽を流した。
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