夢色約束

陽の光が射していた私の机に影ができる。

上を向くと、てをひらひらと振っている…


「……那月、くん」


「久しぶり、香里奈ちゃん」


「どうして…」

本当に久しぶりだ…。

全然見なかったから、那月くんもあの記事見て、避けてたのかと思ってた…。


「俺、最初の方休んでて、やっと学校に来てみたら、なんか変な噂は流れてるし、香里奈ちゃんは休んでるし…それで、やることあってまた休んでて……今日、久しぶりに学校来たんだ」


「そうだったんだ…」


「ごめんね、辛いときに守ってあげられなくて」

私は首を横に振った。


「いいの。私は、大丈夫だから」

私は微笑んでみせた。


「これからは、俺がいるから………あいつの代わりに」


「那月くん…」


「代わりになるか、わかんねぇけどさ」

はは、と那月くんは笑った。


「………ありがとう、那月くん」


「お礼なんていいよ、俺はあいつへの借りを返すつもりで、香里奈ちゃんを守るからさ」


「借り?」


「俺は、あいつに助けてもらったから」

そう微笑んだ那月くん。


『あいつへの借りを返すつもりで…』

ねぇ、光。

私はその言葉にすごく胸が温かくなったの。

どこにいても、やっぱり私を助けてくれるのは、あなたの優しさなんだね。

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