夢色約束
私たちが来たのは屋上。
「……久しぶり、だね。香里奈と話すの」
「…そだ、ね」
気まずいな。
少し前まであんなに楽しかったのに。
あんなに大好きだったのに。
いつから私たちの関係に歪みができていたのかな。
「……ゆ「ごめん!」」
「…へ?」
わけがわからない私と頭を下げている由羅。
「黙ってて、ごめん…」
「由羅…?」
「ごめん…」
「頭、上げてよ」
「でも…」
「謝ることなんて、ないでしょう?」
誰かが、悪いわけじゃない。
「……うん」
ゆっくりと、顔を上げた由羅。
その顔は、泣きそうだった。
「光、元気?」
「…うん」
「そっか…なら、よかった」
「……1年くらい、前に決まったの」
「うん」
「ずっと、光も悩んでた。香里奈を、1人にすること」
「……うん」
光は、そういう人だって、わかってる。