夢色約束

冬の薫り


あれから、また月日は流れた。

ジリジリと焼けるような夏は終わり。

残暑が厳しかった秋も終えた。

そして…季節は、冬へと移り変わっていた。


「もうすぐクリスマスかぁ…」

あの日から、由羅とは話していない。

お互いに、ベストな距離がつかめず、なんとなく気まずい雰囲気が流れていた。


「そうだね」

そして、昼休み。

この2,3ヶ月間、約束どおりに変わらずそばにいてくれている那月くんと外を見ながら話す。


「もう、屋上で食べるのもできないくらい寒くなったもんね」

あれだけ暑さの厳しかったほんの少し前が嘘のように街は寒くなっていた。


「うん、ほんと教室の中でも寒いもん」


「香里奈ちゃん、クリスマスの予定は?」


「パーティーがあったと思うよ」


「香里奈ちゃんもかぁ」


「那月くんも?」


「毎年のことなんだけどね」

クリスマスくらい、ゆっくりしたいよ。

と、苦笑いで言った。

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