夢色約束



それから、1ヶ月と少しが経った。

新学期が始まって1週間。

学校は相変わらずだった。

あるひとつ以外は。


「お嬢様、おはようございます」


「おはようございます、早苗さん」

いつもどおり早苗さんに笑顔で言われる。


「昨夜、旦那様が、お帰りになったみたいですよ」


「そうなんですか?」


「ええ。お正月ぶりですね」

そう、クリスマスからお正月までいたお父さんは、また忙しそうに出て行った。


「挨拶に行かれては?」


「朝食を食べに出たらいるでしょう?わざわざ行くことはないわ」

朝の紅茶を用意しながら言う早苗さんからカップを受け取って答える。


「そうですか」

早苗さんはそう言うと、一礼して部屋を出て行った。

また、朝食が用意できたら呼びにきてくれるだろう。

早く用意しなくちゃ。

私は紅茶を飲んで、用意を始めた。
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