夢色約束
ガチャ
「おはようございます」
私が扉を開けて挨拶すると、その場にいたみんなが頭を下げ、早苗さんが椅子を引いてくれた。
そんな中、奥の椅子に凛と座っている人。
「久しぶり、お父さん」
「おはよう、香里奈。元気だったか?」
「うん」
私は席に座って、ヨーグルトに口をつける。
「また、あまり食べていないのか」
「……………大丈夫だよ」
私は曖昧に笑ってそう言った。
「それより、なにかあった?」
お父さんが私を呼ぶなんて珍しい。
「ああ、そうだったな…………香里奈、あとで私の部屋に来なさい」
「お父さんの?」
「ああ」
お父さんの部屋…あの日以来か。
光がここを出て行くと言われた、あの日以来。