夢色約束



ガチャ

開かれる扉の先にはお父さん。


「おはよう、お父さん」


「おはよう香里奈」

私の席の近くにいる光。

その服を見て思わず目を見開いた。

明らかに周りの人たちとは違う服。

ブレザーに青の落ち着いた雰囲気のネクタイ。

キッチリではなく、程よく着崩した"それ"は、間違いなく、制服だった。


「その服…」


「本日より、復学させていただくことになりました」


「復学…?」


「光くんは、退学したわけじゃない。休学していたんだ」


「休学…」


「まぁ、とにかく、今までのようにしていたら問題はないだろう」

今までのように?

でももう学校は…

今までの状態ではない。

光には、知られたくない…
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