夢色約束
「香里奈ちゃん」
委員会があるという光を屋上で待っていると、声を掛けられ、振り返るとそこにはいつもの爽やかな笑顔で那月くんが立っていた。
「那月くん…」
「話すの久しぶりな感じするね」
「2週間くらいじゃない?」
「そうだっけ?最近、光がべったりだもんなぁ」
「光は優しいから…」
優しいから。
幼なじみだから。
執事だから。
光は自分が悪いと思っているから。
光が私を守ろうとする理由なんていくつもある。
その中でただのひとつも私が望むものはないけれど…。
「あいつも、相変わらずだな」
そういって那月くんは前のように苦笑した。
「そうだね」