夢色約束
「お待たせ、香里奈…て、なんで那月がいるんだよ」
「おぉおぉ不機嫌」
「お前に待ってるように言った覚えはねぇけど?」
「冷たいこと言うなよ~ま、俺も香里奈ちゃんの暇つぶしに付き合ってただけだよ」
「帰るぞ香里奈」
「無視かよ」
呆れたように言う那月くん。
こういう対応は慣れてるみたい。
「あ、うん」
「じゃあね、香里奈ちゃん」
「話聞いてくれてありがとう、那月くん」
「いやいや、俺も楽しかったよ。あ、もしも気になるなら直接聞いてみたらいいよ」
「直接って…」
光に?
考えていることを?
「遠慮しとく…」
そういうとまた那月くんは声をあげて笑った。
「もしも聞いたら俺にも教えてよ、ああは言ったけど確証ないし。興味あるから」
「聞かないよ」
「もしもの話!ほら、行った行った!光の顔悪魔みたいになってるから」
「う、うん…」
"じゃあね"ともう一度声をかけると手をひらひらと振ってくれた。