夢色約束
「お待たせ、光」
「何の話?」
「あー、ちょっとね」
光の話なんて言えない。
言っちゃったら詳しく聞かれるし、
聞かれたら隠し通せる自信もない。
隠し通せなかったら光に直接聞いてるも同然だよ…。
「ん?」
顔を覗き込んで聞いてきた光。
「な、んでもない、です…」
思わず顔をそらして答えた。
「あ、そう…」
少し不機嫌そうに言ってさっさと歩き始めた。
近づいてきたと思ったら離れる。
やっぱり…
「わかんない…」
私も光の後を急いで追いかけた。