夢色約束



「お待たせ、光」


「何の話?」


「あー、ちょっとね」

光の話なんて言えない。

言っちゃったら詳しく聞かれるし、

聞かれたら隠し通せる自信もない。

隠し通せなかったら光に直接聞いてるも同然だよ…。


「ん?」

顔を覗き込んで聞いてきた光。


「な、んでもない、です…」

思わず顔をそらして答えた。


「あ、そう…」

少し不機嫌そうに言ってさっさと歩き始めた。

近づいてきたと思ったら離れる。

やっぱり…


「わかんない…」

私も光の後を急いで追いかけた。
< 252 / 261 >

この作品をシェア

pagetop