夢色約束



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



その日の夜。

「お嬢様、少しよろしいでしょうか」


「うん、どうぞ」


「失礼いたします」


「どうかした?」


「はい、ただいま旦那様から連絡がございました。3月10日、予定を開けておくようにと」

3月10日。

ちょうど1か月後か…


「……わかった」

それに、その日は…


「3月10日」

光に言われ、ビクッとする。


「……お誕生日でございますね、お嬢様の」

光に料理は教えてもらってるけど、何故かは聞いていないだろうから。

まぁ、どちらにしろ光ももう少ししたら言われるだろう。

専属のこともかかわってくるから。


「……そうね」

何も知らない光は誕生日のお祝いとでも思ってるんだろう。

少し嬉しそうな顔をしていた。


「まぁでも、そんなこと関係ないわ」

その日は、最悪の日になるだろうから。
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