夢色約束



「そんなことおっしゃらず、楽しんでらしてください。きっと旦那様も楽しみにしてらっしゃいますよ」

"らしてください"…?


「光はいかないの?」


「あ、はい。二人でとのことですので」


「そう…」

でもまぁ好都合かもしれない。

光に見てほしくない。


「では、私はこれで…」


「光、」


「はい?」

出ていこうとした光を思わず引き留める。


「あ、いや…」

私何やってんの…

何を言おうとした…?


「お嬢様?」

私は…


「お嬢様」

スッと近づいてきた光は私に手を伸ばした。


「これは、誰の手ですか?」

私の手を握ってそういった。


「え?」
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