夢色約束

本音





ガチャ

屋上のドアを開けると風が当たった。

2月の風はまだ冷たいなぁ


「まだ寒いね」

"中の方がよかったかな"と苦笑した那月くんが言った。


「私は大丈夫だよ」


「そっか……」


「うん……」


「「……」」

言葉が出てこない。

顔合わせの日程が決まったって、それだけ言えればいいのに。

言葉が詰まるのは、
ただなんて切り出せばいいのかわからないだけなのか。
まだ向き合いたくないと思っているのか。

どちらにせよ、那月くんの優しさに甘えてることだけは確かだった。

< 256 / 261 >

この作品をシェア

pagetop