夢色約束
本音
ガチャ
屋上のドアを開けると風が当たった。
2月の風はまだ冷たいなぁ
「まだ寒いね」
"中の方がよかったかな"と苦笑した那月くんが言った。
「私は大丈夫だよ」
「そっか……」
「うん……」
「「……」」
言葉が出てこない。
顔合わせの日程が決まったって、それだけ言えればいいのに。
言葉が詰まるのは、
ただなんて切り出せばいいのかわからないだけなのか。
まだ向き合いたくないと思っているのか。
どちらにせよ、那月くんの優しさに甘えてることだけは確かだった。