夢色約束
「…………光は、」
息が苦しい。
喉に何かがつっかえたみたいだ。
単純に、光は私の婚約に賛成だったんだ。
ずっと一緒に。
そんな言葉、光の中にはもう残ってなかったんだ。
「香里奈ちゃん、ちゃんと光に言った方がいい」
「でも……」
どうすればいい。
もしも、知ってたって言われたら。
全部、知った上でのことだったとしたら。
望んでいない婚約を、好きな人に応援されたら。
光に、婚約を勧められたら。
どうすればいい。
考えるだけでこんなに苦しいのに。
息が止まりそうなほど、苦しいのに。