夢色約束
「香里奈ちゃんはさ、何が怖い?」
「え?」
「光の気持ち?
光に応援されること?
望んでない婚約に向き合うこと?」
私が怖いもの…
「なにが怖い?」
まっすぐ私を見つめて那月くんが言った。
私が怖いものは…
「ぜ………ぶ、」
「え?」
「……全部。全部怖いよ」
だって、どの答えでも、あの人との未来はわたしにはないから。
どれに向き合っても、あの人との未来がないなら、私は私の人生に価値を見出せないもの。