夢色約束
「ねぇ、本当に大丈夫なの?」


「大丈夫だって言ってるだろ?」

休日明け、光の熱が下がり、学校に行くと言い出した。

結局、あのあと、熱が下がったというのは嘘だったのか、また上がり、昨日まで寝込んでいたのだ。

まったく!


「無理したら怒るからね」


「はいはい」


「看病。もうしないからね」


「はいはい」


「もう、真面目に聞いてよ!」


「聞いてるだろ?」


「流してるじゃん!」


「聞いてるって」


「嘘つき……」


「はぁ……あのな、そんなに弱くねぇの。俺は。お前と違って」


「私だって弱くないもん!」


「お前は体よく壊すだろ」


「壊さない!」


「壊してる」


「光はバカなの!」


「はぁ?」

意味がわからないという顔をされる。


「だって、バカは風邪ひかないって言うもん!」


「お前なぁ……」

また呆れたようにため息をつく。

むー


「フッ、ガキ」

笑った光はそう言った。


「同い年!」


「精神年齢の話ししてんの。俺は」


「私の方が上だもん」


「それはありえねーわ」

バカにしてる!

気づけば騒がしくなる部屋の中。

ただの幼なじみだったときみたいで、嬉しかった。
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