夢色約束
着替え、メイクが終わり、いよいよ本番は直前に迫っていた。

えっと、最初、なんだっけ。

セリフ・・・

どんなのだっけ。

どうやるんだっけ。

やばい、頭が真っ白・・・

どうしよ、もう本番なのに・・・

私が焦っていると・・・


「ばか、なんて顔してんだよ」


「ひ、かる・・・」

呆れたように笑う光がいた。


「あれだけ練習しただろ?」


「でも・・・」

お父さん達も来てる。

早苗さんだって・・・


「大丈夫だ。俺が保障する」


「う、ん」


「舞台の上では、俺がいるから」


「う、ん」

なかなか緊張が解れない私。

はぁ・・・と、光がため息をついて、急にひざまずいた。
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