夢色約束

文化祭二日目

「とりあえず、なんか食うか」


「う、うん」

なんか、普通だな…光。

手、繋いだまんまだし…


「…どっか入るか」

手を引いたまま光に連れられ、どこかの教室に入った。


「いらっしゃいませー!!」

わ~!

可愛い~~!!

思わず笑顔になる。


「香里奈、こういうの好きだもんな」


「うん!」

可愛いしね!


「い、いらっしゃいませ。二名様ですか?」

控えめにそう言ってきた女の子は光の顔を見て頬を赤く染めた。


「あ、はい」


「では、こちらへどうぞ」

そう言って奥に進む彼女の後に続く。

その間も、周りの視線は光が集めていた。

目立つ人ってどこいっても目立つな…


「どうした?香里奈」


「へ!?う、ううん」

慌てて首を振る。


「ご注文が決まりましたら、お呼びください」

お辞儀をして、女の子は下がった。


「なにする?」


「コーヒー」

コーヒーって…


「ここにきて?」


「てか、ここ、抹茶とかばっか…」


「いや、だって和風カフェだもん」

和風のものがなかったらダメでしょ…


「ああ、だから着物か…」

いや、知らなかったの?


「あ、光。おぜんざいあるみたいだよ?」


「じゃあそれで。お前は抹茶パフェだろ?」


「え、う、うん」

なんでわかったんだろ…


「お前はいつもこういうとき、それだろ」

…なんか、嬉しいな。

何も言わなくてもわかってくれてるって…


「じゃあ、店員呼ぶぞ」

そう言って、光は近くの子に声をかけた。
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