夢色約束
そのあと、女の子に教室にほうり込まれた私と光。


「光、どうかしたの?珍しいね」

こんなのに参加するなんて、初めてだ・・・。


「お前、好きだろ?」


「光は嫌いでしょ?こういうの」


「・・・別に」


「私に気、使わないでよ」

光が嫌いならやる気なかったのに・・・


「・・・気ぃなんか使ってねーよ」

光はそっけなく言って、ポケットに手を入れた。


「ん」


「・・・?」

出された右手の拳。

・・・なにか、持ってる?


「手、出せよ」

手?

私はおずおずと出してみる。


「やっぱ、でけぇな・・・」

右手を見るとゆるゆるの指輪。

なんだか、結婚式のようで、不覚にも泣きそうになった。


「これ、参加賞みたいなものらしい。持って帰っていいってよ」

大きな指輪は、私の指にぶら下がっていた。


「・・・あ、ちょっと待ってろ」

光は思い出したようにそういった。
< 70 / 261 >

この作品をシェア

pagetop