夢色約束
光は自分の首に手を伸ばした。

え!?


「ひ、光?」

どうしたの?

カチッと、音がして見ると、光は自分がつけていたネックレスのチェーンを外していた。


「指輪、貸せ」

私はわけがわからないまま指輪を差し出した。

私の手から指輪を受けとった光は、その指輪をチェーンに通し、私の首の後ろに手を回してきた。

へ!?

なにこの抱き着いてる状態!?


「・・・できた」

そういって離れる光。


「・・・へ?」

なにが?


「なに顔赤くしてんの」

ニヤリと笑った光が言った。


「あ、赤くない!」

そういって光を叩こうとしたとき・・・

シャラ・・・

首に冷たい感覚がした。

え・・・?

首もとを見ると、光る指輪がかかっていた。


「これ・・・」

私がそれを眺めていると・・・


「ほら、行くぞ」

そう無愛想に言って手を引く光。


「・・・ありがとう」

そう、小さく言った私の声も、聞いてないんだろうな・・・
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