夢色約束
ガヤガヤ

駅前につくと新しいカフェはすぐに見えてきた。

やっぱり混んでるなぁ…

光、嫌がってないかな…

私は光の顔を盗み見た。


「ん?」

私の視線に気づいた光が首を傾げる。

可愛い…。女の子よりも可愛いとか、反則じゃない?


「えっと、並、ぶ?」


「ああ」

あ、並んでくれるんだ。


「お前なぁ~気、使うなって言ったばっかりだろ?」

呆れたように言う光。


「だって…」


「行くぞ?」


「うん」

私たちは列の最後尾に並んだ。


「あ、そういえば」

私はふと、思い出した。


「なんだよ」


「光、好きにさせるのは、女の子だけにしときなよ?」


「…は?」


「私びっくりしたんだから!」


「俺、そういう趣味ねぇけど?」

いや、あったらびっくりよ。


「ふふふ」


「てか、誰のこと言ってんの?」

あ、これ、言っちゃだめだよね?

個人情報?だし…

勝手に私がばらすのもなぁ~


「はぁ~もういいよ、わかったから」


「え!?わかったの!?」

エスパー!!??


「言っとくけど、エスパーじゃないから」

またわかったの!?


「お前は顔に書いてあるんだよ」

へ?

ペタペタと顔を触る。


「そんなことしてもわかんねぇよ」


「えー」


「ほんとガキだな」

なっ!?


「ガキじゃないもん!光と同い年だもん!」


「はいはい」

流す光。


「ムー」


「いじけんなって、ほら、もうすぐだぞ」


「…うん」
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