夢色約束
「香里奈ー」


「なにー?」


「屋上いこー?」


「うん」

お昼休み。

由羅と屋上に向かう。


ギィィ

錆びたような音がしてドアが開く。


「あ、お前らも来たのかよ」


「光!」


「光くん、珍しいね」


「…え?いっつもここで食べてるけど?」


「え?私たちもよくここで食べるけど光を見たことないよ?」


「ああ…俺、いっつも裏で食べてるから」

それは気づかないわ。

あそこ、死角だし…。


「光くん、一人なんだね」


「まあな」


「あれー光友達いないのー?」

さっきの仕返ししてやる!


「こら、香里奈」


「…」

私を注意する由羅に黙る光。

ダメだった?


「えと、ごめん」

私は悪かったな。と思い頭を下げて謝った。
< 97 / 261 >

この作品をシェア

pagetop