『私』だけを見て欲しい

Act.1 プロローグ

気づけ！

（こっちを見ろ！！）

そんな気持ちで腕を引っ張った。
驚いた顔をした奴が、俺の方を振り向く。

馬鹿みたいに真面目で、頑張り屋な奴。
コイツの事を見始めて何年になるかなんて、全く知らないでいるだろう。

でも、今日限り、俺はこいつの上司でいるのはやめる。
全力で振り向かせてみせる。
そして、必ず、コイツを幸せにする。


……お互いの事情を何もかも知った上で、

「幸せになろう」

そう言ってやるんだーーーー！