『私』だけを見て欲しい
重圧から逃げたくても、逃げられない現実に迫られる日々。
愛だの恋だの…と浮かれてる女子社員達を尻目に、ひたすら仕事に生きる毎日。
虚しい…なんて、思う暇もない。


『…彼女として、皆に紹介していいですか?』

『れんや』という男性社員の言葉が頭に残った。
そんなふうに言ってもらえることなんて、この最近全くなかったから、ホントは少しトキめいた。

でも…それは見てはならない夢。
私には、裏切れない現実がある。

私にしか分からない悔しさや悲しみ、癒してくれた場所と人。
それ以上に大切なものなんて、持ってはいけない……。


……胸の奥に秘めて大切にしておこうと思った。
もう二度と同じ言葉を言ってくれる人には、出会えないかもしれないから。


出会っても…

恋に生きたりできない…と

分かってるから……。
< 11 / 176 >

この作品をシェア

pagetop