『私』だけを見て欲しい
「ステキ…!いつも思うけど、マネージャーの作るディスプレイは細いトコまで気が利いてる!」
近づいて眺める。
花だけ見てたら春みたい。
これを変えれば、夏にも秋にも冬にもなる…。
「あっ…小鳥もいるんですね!」
センサーのドアチャイム。
これもフロアの商品。
「楽しい…見てて飽きない…」
こんなふうにできない。
この人はやはり師匠だ。
上司でもある、尊敬できる人。
(こんなステキな庭作られたら…私の出る幕ないな…)
コテンパンにヤラレタ…って感じ。
このミニガーデンに、私が住みたいくらいだ…。
小さな笑みが溢れてくる。
ここには私の居場所がない。
私がいなくても、この人がいればいい…。
「山崎マネージャー…」
大事そうに名前を呼んだ。
下の名前を呼んだ時と同じくらいの気持ちを込める。
振り向いて、彼を見つめる。
そのまま、口にした。
「…私、今月をもって、退職させて頂きます。長いこと…お世話になりました……」
驚いたままの表情が固まった。
部下の仮面をつけたまま、深く頭を下げる。
涙も何も出さない。
仮面の下の顔は、誰にも知られたくないから………
近づいて眺める。
花だけ見てたら春みたい。
これを変えれば、夏にも秋にも冬にもなる…。
「あっ…小鳥もいるんですね!」
センサーのドアチャイム。
これもフロアの商品。
「楽しい…見てて飽きない…」
こんなふうにできない。
この人はやはり師匠だ。
上司でもある、尊敬できる人。
(こんなステキな庭作られたら…私の出る幕ないな…)
コテンパンにヤラレタ…って感じ。
このミニガーデンに、私が住みたいくらいだ…。
小さな笑みが溢れてくる。
ここには私の居場所がない。
私がいなくても、この人がいればいい…。
「山崎マネージャー…」
大事そうに名前を呼んだ。
下の名前を呼んだ時と同じくらいの気持ちを込める。
振り向いて、彼を見つめる。
そのまま、口にした。
「…私、今月をもって、退職させて頂きます。長いこと…お世話になりました……」
驚いたままの表情が固まった。
部下の仮面をつけたまま、深く頭を下げる。
涙も何も出さない。
仮面の下の顔は、誰にも知られたくないから………