『私』だけを見て欲しい
3日前のことが頭をよぎる。
もしかして私は、泰のハードルを上げてしまったんじゃないだろうか。

「いいじゃないか。1日、2日休んだって。困ることないだろ?」
「え…あ…はい…そ、そうですよね…」

普通の場合ならね。
でも、泰はこれまでが普通じゃないから…。

「浮かない顔だな。何かあるのか?」
「えっ⁉︎ いえ、何も…」

……ある。
ホントは悩んでる。
でも、これは…やはり話せない。

じ…と見られる。
だから、その顔はダメだって…

「結衣…嘘はつくな」
「ウソなんか…ついてません…!」

秘密にしてるだけ。
だって、あなたは父親じゃないから。

「だったら、正直に話せ。お前の子供は、俺の子供と同じだから」
「えっ…あ、いや、それはやっぱりヘンですよ。だって…」
「いいから話せ!でないとまた具合悪くなる!」

ほら、呼吸乱れてきた…って、ほぼ脅しじゃない!

お互いに睨み合う。
これがさっきまで好きだと言い合ってた者達のする事だろうか。

「……泰は…息子は…学校でイジメられてて…イジメ…って言うよりも、度の過ぎたからかいなんですけど…一昨日、たまたま学校に迎えに行った時に、現場を目撃してしまって…」

我慢できなくなって、割り込んだ。
怒りに震えて、職員室に乗り込んだ。
何もかもあった事、全て泰の口から言わせた。

私が行かなかったら、学校生活はどうなってたか分からない。
でも、行って口を挟んだことで、確実に泰のハードルを上げた。
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