『私』だけを見て欲しい
恐れ多い。相手は大きな工場を持つメーカーなのに。
「でも…同席させてもらえるならお願いします。私、なるべく黙っておきますから」
まだ未発売の商品を見せてもらえるだけで有難い。
それが大好きなガーデニング用品ってだけで、かなり気分も盛り上がる。
「じゃあ2時になったら、最上階の事務所に来て」
「はい…!伺います!」
声が1オクターブ上がる。
昨日の夜から感じてた仕事の虚しさ、一気に吹き飛んだ。
「…スゴいですねぇ。佐久田さん…」
紗世ちゃんがため息。
「あの山崎さんからも一目位置かれてる上に、今日は商談に参加なんて。次期バイヤーにもなれる勢いじゃありませんか⁉︎ 」
「なれないわよ!さっき言ったでしょ。今回は特別…って」
マネージャーの発言繰り返す。
「それでもいいなぁ…」
紗世ちゃんはため息をつきながら、何度も何度も同じことを言った。
ウキウキしながらお昼を挟んで、午後の仕事を始める。
毎日、午後1時になったら出てくる売上データ。
このトップ30の中に、『美粧』の商品が幾つも入ってる。
雑貨フロアには欠かせないメーカーさん。
今日持って来る商品も、今からとても楽しみ。
「…そろそろ行ってくるから」
紗世ちゃんに売り場を任せて最上階へ行く。
ビルの7階。階段上がってすぐに着く。
「…失礼します」
バイヤーやマネージャーが仕事する事務所のドアをノックして開ける。
山崎マネージャーは奥から2番目に座ってる。
つまり、それだけトップってこと。
「でも…同席させてもらえるならお願いします。私、なるべく黙っておきますから」
まだ未発売の商品を見せてもらえるだけで有難い。
それが大好きなガーデニング用品ってだけで、かなり気分も盛り上がる。
「じゃあ2時になったら、最上階の事務所に来て」
「はい…!伺います!」
声が1オクターブ上がる。
昨日の夜から感じてた仕事の虚しさ、一気に吹き飛んだ。
「…スゴいですねぇ。佐久田さん…」
紗世ちゃんがため息。
「あの山崎さんからも一目位置かれてる上に、今日は商談に参加なんて。次期バイヤーにもなれる勢いじゃありませんか⁉︎ 」
「なれないわよ!さっき言ったでしょ。今回は特別…って」
マネージャーの発言繰り返す。
「それでもいいなぁ…」
紗世ちゃんはため息をつきながら、何度も何度も同じことを言った。
ウキウキしながらお昼を挟んで、午後の仕事を始める。
毎日、午後1時になったら出てくる売上データ。
このトップ30の中に、『美粧』の商品が幾つも入ってる。
雑貨フロアには欠かせないメーカーさん。
今日持って来る商品も、今からとても楽しみ。
「…そろそろ行ってくるから」
紗世ちゃんに売り場を任せて最上階へ行く。
ビルの7階。階段上がってすぐに着く。
「…失礼します」
バイヤーやマネージャーが仕事する事務所のドアをノックして開ける。
山崎マネージャーは奥から2番目に座ってる。
つまり、それだけトップってこと。