『私』だけを見て欲しい
ドアを押し開けて出ようとする。
隙間から吹いてくる風。
すぅ…と涼しくなった間を、広げるように前へ進んだ。
「佐久田さん…俺は、どんなお前も好きだぞ」
ビクッとして振り向いた拍子に、紙コップが滑り落ちた。
あっ…と声を出しそうになる私をマネージャーが抱き寄せる。
……12年ぶりの感覚に驚く。
甘いミルクコーヒーの香りに包まれた自分が、20歳の頃に逆戻りしたみたいだったーーーー
隙間から吹いてくる風。
すぅ…と涼しくなった間を、広げるように前へ進んだ。
「佐久田さん…俺は、どんなお前も好きだぞ」
ビクッとして振り向いた拍子に、紙コップが滑り落ちた。
あっ…と声を出しそうになる私をマネージャーが抱き寄せる。
……12年ぶりの感覚に驚く。
甘いミルクコーヒーの香りに包まれた自分が、20歳の頃に逆戻りしたみたいだったーーーー