隣のあなた。…運命の人と…
運命
じいさんが亡くなってから数週間
特に変わらない生活
客の相手をし
たまに来る愛美の愚痴を聞く
親父が寂しそうって言うから
子猫を譲ってやった。
基本、俺は客に手を出さない
触れることも少ない
優しい言葉はかけるが期待はさせない
自分の時間を優先にする俺は
アフターもたまに日中の休みの日だけ
同伴もしない。
『そろそろ行くか……』
夕方6時
いつも俺はこの時間に家を出る
玄関ドアを開けて外に出た時
知らない女が隣の部屋に入ろうとしていた
「あの、お隣さんですか?」
話しかけてきた女は
あの雨の日に出会った女だった