スイートな御曹司と愛されルームシェア(原題『かわいいイケメン、拾いました』)【後日談】
ハッピー? ハッピー! バレンタイン
「えーっと……なになに……〝一、ガナッシュを作ります。小さめのボウルに生クリームを入れて、五〇℃くらいのお湯で湯煎をします〟……って湯煎ってなんだっけ?」
咲良はその『誰でも簡単、チョコレート・レシピ』というタイトルの本のページをめくった。最初の方にある〝チョコレート作りの基本テクニック〟のページに湯煎のやり方を見つけて、眉を寄せながら読む。
「〝鍋に湯を沸かし、その中に小さめのボウルを入れて、間接的に加熱し溶かします〟か。なるほど」
写真を見ながら、生クリームを入れた小さいボウルを湯煎にかけ、温まったところで刻んだチョコレートを加える。それをゴムべらで丁寧に掻き混ぜながら溶かそうとしたが、小さく刻んだつもりなのに、チョコレートがうまく溶けてくれない。
「何よぅ、もう。溶けてくれないからお湯がぬるくなっちゃったじゃない」
それはけっしてチョコレートのせいではないのだが、咲良は文句を言いながらもう一度鍋を火にかけ、お湯の温度を上げた。今度こそ完全にチョコレートを溶かす。
「熱っ」
気合いを入れて掻き混ぜていたら手が鍋の縁に触れてしまった。
「んー、もう」
咲良はその『誰でも簡単、チョコレート・レシピ』というタイトルの本のページをめくった。最初の方にある〝チョコレート作りの基本テクニック〟のページに湯煎のやり方を見つけて、眉を寄せながら読む。
「〝鍋に湯を沸かし、その中に小さめのボウルを入れて、間接的に加熱し溶かします〟か。なるほど」
写真を見ながら、生クリームを入れた小さいボウルを湯煎にかけ、温まったところで刻んだチョコレートを加える。それをゴムべらで丁寧に掻き混ぜながら溶かそうとしたが、小さく刻んだつもりなのに、チョコレートがうまく溶けてくれない。
「何よぅ、もう。溶けてくれないからお湯がぬるくなっちゃったじゃない」
それはけっしてチョコレートのせいではないのだが、咲良は文句を言いながらもう一度鍋を火にかけ、お湯の温度を上げた。今度こそ完全にチョコレートを溶かす。
「熱っ」
気合いを入れて掻き混ぜていたら手が鍋の縁に触れてしまった。
「んー、もう」
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